金蓮寺弥陀堂  (愛知県西尾市吉良町  金蓮寺)

いきなりですが、みなさんは愛知県に国宝の建築物がいくつあるかご存知でしょうか?何故このような問いをしたかというと、先日参拝させていただいた西尾市の金蓮寺(こんれんじ)でご住職の話を聞いたからなのです。恥ずかしながら私自身犬山城天守閣しか知らなかったのですが、答えは三つだそうです。一つ目はその犬山城天守閣。二つ目は言われてそれも有ったか!と思った同じ犬山市の有楽苑(うらくえん)に在る茶室の如庵(じょあん)。そして三つ目がこの金蓮寺の弥陀堂なのです。
イメージ 1
この弥陀堂は、昭和30年6月22日に国宝に指定されたそうで、その当時は瓦屋根の仮屋根でした。その後昭和28・29年に解体修理が行われ創建当初の現在の姿に戻ったそうです。その解体修理の際いろいろな事が解明されたそうで、堂の創建は寺伝や江戸時代の地誌では、文治二年(1186)に源頼朝の命により「三河七御堂」が創建され、そのひとつが金蓮寺だと伝わっていましたが、平安、鎌倉時代の金蓮寺に関する史料はなく、建物中央の四天柱のうち前2本が省略され、須弥壇自体が後方に下がっているなどの特徴から鎌倉時代の中期から後期に創建されたようです。しかし、この堂の特徴として平安貴族の住宅(寝殿造)の影響を色濃く残し、正面に吹き放ちとした孫庇、柱を受ける舟肘木、軒下の飛焔檐垂木、正面の蔀戸などその貴族住宅風の醸し出す優しい美しさが高く評価され、京都府平等院鳳凰堂。岩手県中尊寺金色堂大分県の富貴寺の大堂などの建物に肩を並べる貴重な建築として国宝に指定されたのです。
イメージ 2
イメージ 3
弥陀堂の天井には須弥壇部分を一段高く折り上げる小組格天井が張られ、これも鎌倉時代の中期から後期に出現する構造なのだそうです。堂内部、須弥壇の中央には御本尊である阿弥陀如来が安置され、向かって右側に観音菩薩立像、左側に勢至菩薩立像が安置されています。ちなみにこの弥陀堂内部と御本尊阿弥陀如来の写真はご住職に許可を得て撮影しております。
イメージ 4
この仏様たちも平成19・20年に行われた修理により、江戸時代の修理の際に塗られた塗膜が取り除かれました。そこで判明したのは、この阿弥陀三尊は本来は金箔が貼られ、螺髪は群青、台座の蓮弁は緑の彩色が施されてたようです。寺伝では運慶作と伝わっていましたが、どうも弥陀堂と同時期の鎌倉時代中期から後期にかけての作のようで、現在は愛知県指定の文化財となっています。 どうでした?たまにはこんな記事も良いのかな?それでは私は次のお祭りに行って来ます。みなさんのブログにもそろそろ遊びに行きますからね(笑)。